月光



「和也くんの二十歳の誕生日を祝って、かんぱ〜〜い!!」
「かんぱ〜〜い!」

 谷家のリビングルーム。かすみの音頭でテーブルの上に掲げられた六つのグ
ラスが、軽やかな音を響かせた。

「おめでとう、和也くん」
「おめでとうございます、和也さん」
「和也、おめでと〜」

 和也のすぐ左には、かすみが座っている。メイは和也の右に。まさに両手に
華だ。レナも、ケイもいる。それに、千草さんもいる。
 みなが口々に祝ってくれるのを聞きながら、和也は照れくさそうに頭をかい
た。今日は、かすみの家にみんなが集まって和也の誕生日パーティーを開いて
くれているのだ。
 今朝、学校に行く和也を玄関先で千草とレナが呼び止めたのだ。『今日は早
めに帰ってきて、うちに寄ってくださいね』『絶対だよ、和也!』、と。

「いっただきまーす」

 メイたちが来てから、半年近くが経った。いろいろあって、ずいぶんにぎや
かになった。それに、和也たちの生活も一変していた。

「和也、この唐揚げ、レナちゃんが盛りつけたんだよー」
「へえ、ちゃんとお手伝いしてるんだ。偉いね」
「あったりまえじゃない」
「ありがとう。美味しいよ」
「えへへ〜。レナちゃん、ちゃーんと千草ママのお手伝い、いっぱいしてるん
だからね」

 レナが嬉しそうに笑う。テーブルに並べられた料理は、レナと千草、それに
メイの三人が用意したものだ。家庭的な感じのお祝いの料理の数々が並んでい
る。

「よーし、飲むぞー!ていうか、飲めー!」
「か、かすみちゃん、落ち着いて」
「何言ってんのよ、だいたい、和也くんが今日の主役なんだから、どんどん飲
まなきゃだめじゃないの」
「あ、うん。そうだね、かすみちゃん」

 自分のことのように楽しそうにしているかすみを見ながら、和也は頬を緩ま
せた。
 和也がグラスに半分くらい残っていたビールを一気に空けると、ケイが、グ
ラスを置こうとした和也の手を包み込むように手のひらを重ねた。自分もお酌
するからグラスを離さないでね、という意思表示のようだった。

「今日という日はあと5時間と26分32秒7フレしかないのよ、どんどん楽しまな
くちゃ、ね」
「あ、ありがとう、ケイさん」
「あーーーー、ケイばっかりずるーい!」

 レナの声が響く。
 こうなると、もう和也は苦笑するしかなかった。


 やがて、祝いの席はアルコールのためもあってか、混沌の様相を呈してくる。

 気がつくと、和也の胸元に身を預けるようにしながら、かすみが赤い頬でに
じり寄ってきていた。目が合うと、かすみは和也にグラスを押しつけた。

「い、いや、僕はお酒はあんまり飲めないから……」

 そう言って、和也はかすみの何度目かのお酌を押しとどめる。

「しょうがないなあ」

 かすみは意外なほどすんなりと引き下がった。

「じゃあねえ……」

 言いながら、かすみが目線を泳がせた先には……
 かすみと目があったメイが、びっくりしたような声を上げる。

「え?え?えええ!?な、何ですか?」
「メイ、和也くんのかわいに飲みなひゃい!」
「は、はい」

 有無をいわせぬ雰囲気と勢いでメイにグラスを持たせると、かすみはワイン
ボトルをつかんでだばだばと注いだ。

「かすみさん、あの、多すぎるんじゃ……」

 困った顔のメイ。
 テーブルの上を見ると、いつの間にか、ワインのボトルは2本目に突入して
いた。

「わらしのさけがのめないってえのかぁ?」
「あ、そ、そんなことは……」

 メイが、もっともっと困った顔になる。

「なーんちゃって、じょーだんよぉ、じょーだん。きゃはははは」

 かすみはメイの背中をぽーんと叩くと、笑いだした。

「もしかして、かすみちゃん、お酒だめなんじゃあ……?」
「ひょんなことないろ!」
「……ダメすぎるよ、かすみちゃん」

 千草が苦笑いしている。きっと前にも似たようなことがあったのだろう。

「そういや、かすみちゃん、まだ未成年じゃ……」
「あらあら〜、保護者同伴だから大丈夫〜」

 千草がにこにこしながら和也の疑問を遮る。

「そうだったかしら〜〜〜きゅぅぅぅ?」と、ほうけるケイ。
「よーっし!どんどんいくのら〜〜〜〜」

 かすみは景気のいい掛け声とともにグラスを手にした。そして、高々と突き
上げる。

「かんぱーーい!」

 何度目の乾杯か、もう分からなかった。


       §   §   §


 夜も10時をまわる頃には、起きているのは千草とレナ、それに和也の3人だ
けだった。
 結局、かすみがソファでごろんと寝入った後、それを追うようにメイとケイ
も眠ってしまったのである。
 千草とレナは、リビングの皿やグラスを下げると、布団の準備をしに奥の間
に行っていた。和也は寝入っているメイやケイを起こそうとしてみたが、まる
で起きそうになかった。
 すぐに千草とレナがリビングに戻ってきた。

「すみません……メイもケイさんも、ぜんぜん起きそうになくて……」
「いいのよ。奥の部屋にお布団敷いておいたから、メイちゃんたちを寝かせま
しょ?」
「みんなもう爆睡しちゃって」
「ふふっ、よっぽど楽しかったのね……」

 千草は、気持ちよさそうに眠っている三人を見ながら微笑みを浮かべている


「ちょっとやそっとじゃ起きなさそうね……ふふ」
「え?」
「さ、手伝ってちょうだい、和也くん」
「はい」

 和也と千草が三人を奥の間まで連れていってリビングに戻ると、レナがお茶
を用意してくれていた。

「お疲れさまっ、和也、千草ママ」
「ありがと、レナちゃん」
「メイたち、起きそうにない?」
「全然、起きそうにないわね」
「そっかー」
「ほんと、お疲れさま、和也くん。今日は主賓だったのにね」
「あ、いえ。でもほんとスミマセン」
「いいのいいの。お茶でも飲んで、一服しててね」
「はい」
「レナちゃんと私からも、和也くんにプレゼントがあるの。準備するから」

 ずずっとお茶をすする。和也はそれなりにお酒はセーブしながらだったが、
苦い日本茶はすっきりとする感じで美味しかった。ただ、ちょっと苦みがきつ
い感じもして……

「ありがとうございます、でも、準……備って……」

 言いかけて和也は大きなあくびをした。気が抜けたのか、襲ってきた突然の
眠気に、和也はそのままソファに崩れ落ちていった。


       §   §   §


「千草ママ、…んとに…じょうぶかなぁ……」

 暗闇の中、かすかにレナの声が聞こえた気がした。

(レナちゃんの声が聞こえるということは、別にあわてて起きなくても大丈夫
みたいだな……でも、どうしたんだっけ……)

 和也は、なかなかはっきりとしてこない頭を無理にシャキッとさせるのはあ
きらめて、のろのろとした覚醒に身を任せることにした。
 やがて目が覚めてくるにつれ、妙な寒気と下半身への違和感がはっきりと感
じられてくる。

「そうよ、上手いわよ、レナちゃん」

 ぼそぼそと声が聞こえる。千草の声のようだった。
 思考がはっきりとしてくるにつれて、頭ががんがんと痛んでくる。それに、
下半身を走る柔らかな刺激……

「ん……」

 和也は軽く身をよじった。

「ここは……」

 暗い。どうやらまだ夜中のようだ。

「目が覚めたみたいね」

 千草の声がした。

「ちょっとアタマが痛いかもしれないけど、許してちょうだいね」

 和也はぐるりと視線を巡らせた。
 そこは、さっきまでみんなでパーティーをしていたリビングルームだった。
ただ違うのは、明かりが消えて、かすかにカーテンの隙間から射し込む月の光
だけが、部屋を青く照らしていること、その月の光に照らされた下着姿の千草
とレナの体、そして二人のとろんとした熱い瞳……浮遊するような現実感。
 驚いた和也が体を起こそうとしたが、それはできなかった。見ると、腕も脚
も体も、ソファに縛り付けられていた。

「千草さん、何してるんですか?」
「だって、こうでもしないと、和也くん逃げちゃうでしょ?」

 妖しげな笑みを浮かべながら、千草はレナの体に指を這わせていた。レナは
敏感なところに千草の指が触れる度に体をもぞもぞとさせている。

「…あのね、レナちゃんがね、千草ママにお願いしたの。和也の誕生日プレゼ
ントにはね、レナちゃんをあげたいの、って」

 千草はこくりとうなずくと、レナの髪を撫でた。

「じゃあレナちゃん、続き、してあげなさい」

 レナは千草に促されるように和也の方を見た。一瞬恥ずかしそうな表情を浮
かべたが、和也の股間に顔を埋めた。上目遣いのまま、小さな唇が和也のそれ
にキスを浴びせる。
 それからレナは、唇を開くと、固く屹立した和也のものを口に含んだ。熱く
狭い口腔{くち}いっぱいに包み込まれる感覚に、和也の射精感がいきなり高ま
る。

「レナちゃん、ちょ、ちょっと待って……」

 せっぱ詰まったような和也の声に、レナは奉仕をやめて口を離すと、不安そ
うな声で聞いた。

「和也……こういうの、嫌い?気持ちよくない?」

 レナが泣きそうな顔になる。

「いや、そうじゃなくて、よすぎて、すぐ射精{で}ちゃいそうだよ……」

 和也の言葉に、レナの表情がぱっと明るくなる。

「じゃあ、どんどんしてあげる。誕生日プレゼントなんだから、いっくらでも
レナちゃんで気持ちよくなっていいんだから。ねっ!」

 そう言うと、レナはふたたび和也を口に含んだ。すでに痛いぐらいに固くなっ
ているそれは、レナの口腔{くち}の中で、さらに大きくなろうとしているようだった。
苦しそうにレナが舌をもぞもぞと動かす。

「ん……ふぅ……はぁ……」

 レナの吐息にあわせるように、体中を千草の指が這い回る。内股や胸板、首
筋などを、優しいタッチで愛撫していく感覚は、幼いレナのストレートなフェ
ラチオと対照的だった。アンバランスな二つの刺激が一つに溶けるように和也
を高ぶらせていく。

「も、もうだめだよ、レナちゃん……」

 和也が小さく声を上げる。
 その声に、レナはするりと口を離す。
 レナの唇の端からは、レナ自身の唾液と和也の透明な汁と混じり合ってした
たり落ちている。

「まだイっちゃダメ、和也ぁ。もっともっとよくしてあげるんだから」

 レナは、あらためて口いっぱいにそれを含むと、頭を前後に動かしはじめた。
小さな口を和也のはち切れそうなペニスが出入りするたびに、じゅぶじゅぶと
音がする。

「ん……む……はあ、はあ……ぷはぁ……」
「レ、レナちゃん……」
「は……ふぅ……和也ぁ……レナちゃんが、いっぱいいっぱい、きもちよくし
てあげるよぉ……む、ぷふぅ……」

 レナの甘いささやきが、和也の中に響く。
 繰り返される刺激とレナの吐息に和也は耐えきれず、全身をぶるっと震わせ
た。

「ご、ごめん、レナちゃん!射精{で}るっ!!」

 はずみで和也のペニスはレナの唇を飛び出し、そして白く弾けた。

「きゃっ!」

 驚いたレナが小さく悲鳴を上げる。白濁した粘液がレナの頬や首筋、髪の毛、
キャミソールにも飛び散っていた。

「もうっ、全部飲んであげようって思ってたのにー」

 ぷうっと頬をふくらませるレナ。
 ただ、その頬にだらりと垂れる精液は、子どもっぽい仕草とあまりにも不釣
り合いだった。

「レナちゃん、頑張ったわね。和也くん、すっごく気持ちよさそうだったわよ」

 言いながら、千草はレナを抱き寄せて、レナを汚している和也が出したばか
りの粘液を美味しそうに舐め上げた。ちゅるちゅると音を立ててすすり上げる。

「これが和也くんの、なのね……」
「千草ママ、全部飲んじゃだめー」
「あらあら……そうね、じゃあ」

 千草は、レナのおでこに付いた精液を指で拭うと、レナの口元に寄せた。レ
ナは、さも当たり前のように千草の指を赤ん坊のように吸いたてる。

「……」
「ふふっ、初めての味だから、なんて言っていいのか分からないんでしょ」

 こくりとうなずくレナ。

「すぐにこれが美味しいって思えるようになるわ……だって、大好きな和也く
んのだもんね」

 そう言うと、ふたたび千草はレナの首筋や頬に舌を這わせて精液を舐め取り
始めた。下着姿のまま、千草の唇に身を任せているレナ。まるで親猫が子猫の
毛繕いをするかのような光景を、和也はただ見つめていた。

「さ、綺麗になった」

 風呂上がりの子どもを迎える母のような口調で千草が言う。仕上げに、やさ
しくハンカチでレナの口の周りを拭いた。

「さ、和也くん。レナちゃんにキスしてあげて。ちゃんとファーストキスもも
らってあげてね」

 レナは期待を込めた表情で、縛られたままの和也を見下ろしていた。
 ゆっくりと目を閉じたレナは、すっと和也と唇を重ねた。柔らかさの向こう
から、レナの体の火照りが唇に集まっているかのような、そんな熱さが和也に
伝わってくる。
 和也は舌先でレナの唇をそっと押し開いた。

(……こんな小さな唇だったんだ)

 和也の耳には、レナの甘い吐息だけが響く。舌を絡めると、和也はレナとの
キスに没頭した。

「すっかり夢中ね……じゃあ、私はこっちをもらっちゃおうっと」

 千草は妖しげな笑みを浮かべながら、ブラを外した。普段抑えている欲望を
解き放つかのように、千草の豊かな乳房があらわになる。
 そうして、千草は右手を和也のペニスに伸ばすと、指で和也のペニスをきゅっ
きゅっとしごき上げる。そうして少し元気の戻ってきたところで、千草もフェラ
チオを始めた。千草は口に含むよりも、竿の部分を舌で舐め上げるのが好
きなようだった。時折、カリの部分をぐるりと舌でなぞったり、尿道口を押し
広げたりしながら、千草の口戯が続く。左手はその間ずっとパンティの上から
自分自身をまさぐっていた。

「どう?気持ちいいかしら?」

 和也の答えは、千草には聞かなくてもわかっていた。すでに和也のペニスは
硬く熱くなっているのだ。どくんどくんという脈動は、千草の舌にも伝わって
いる。
 千草はフェラチオをやめ、パンティを下ろした。そうして、和也のペニスの
上にまたがった。
 入り口に導くのも待ちきれないと言わんばかりに、千草のスリットは口を開
けてよだれを垂らしていた。千草の唾液と垂れてくる愛液で、和也のペニスは
入れる前からどろどろに濡れていた。
 千草は右手で恥毛をかき分けて自分のスリットを広げると、左手でペニスを
導いた。千草が腰を沈めると、ぬるりと和也は千草の中に収まった。
 和也は、その感覚に思わず声を上げた。

「うぁ、ち、千草さん!」
「うぅん……いい……」

 千草は和也の声に、甘いうめき声だけで答える。
 和也は、千草の奥底から伝わってくる熱さを感じていた。千草も、いつくし
むように一番奥まで収めたまま、しばらく動かずにいた。

「あー、千草ママ、ずるいよ」
「ふぅ……はぅ……キスもいいけど、和也くんに口でしてもらうのもいいわよ……」

 そう言うと、千草はゆっくりと腰を動かし始めた。上下に動いたり、グライ
ンドさせたりしながら、和也の感覚を味わっている。

「もー、次はレナちゃんの番だからね」

 口では不満そうなレナだったが、千草の提案のまま、楽しそうに和也の顔の
上にまたがった。

「ってわけでぇ……今度は和也が、して」

 ショーツを穿いたまま、レナは股間を和也の口元に押しあてた。
 熱い湿めり気が、布越しに和也にも伝わってくる。
 和也はショーツの上からレナのスリットに舌を這わせた。

「あっ……やあ、んっ、和也ぁぁん」

 すでにじっとりとしていたショーツは、レナ自身の愛液と和也の唾液でほと
んど素通しになり、その奥にあるスリットの形を浮かび上がらせている。小さ
なクリトリスも、ぴょこんとふくらんで存在を主張している。

「レナちゃんの匂いがするよ」
「や、やだぁ……和也ぁ、変なこと言わないで……」
「直接、舐めていい?レナちゃん」

 和也は舌と唇でショーツを横にずらすと、ぐっしょりと濡れたレナのスリッ
トに直接舌を挿し入れた。

「きゃ……ん、やぁん、和也のえっちぃ……ねえ?レナちゃんのあそこ、どう
……?」
「とっても可愛いよ」

 和也は思ったままを言葉にした。
 レナのヴァギナは小さくて、まだつるつるのままだった。それなのに、和也
の目の前でそれはねっとりと口を開き、透明な愛液をしたたらせていた。その
奥には、月明かりにもそれと分かるほどに充血したピンク色の粘膜が待ってい
た。

「ほんと?」
「うん。あんまり可愛くて……おもわずイタズラしちゃいそうだよ」

 そう言うと和也は、パンティをかき分けるように舌を伸ばしてクリトリスを
探った。すでにぷっくりとふくらんでいる肉芽を探り当てると、和也はこねる
ように舌を動かした。レナはたまらず嬌声を上げる。

「ふうぅぅぅん、や、あああ、和也、だめよ、ダメえええっ!」

 レナの腰がぐいぐいと和也に押しつけられてくる。むさぼるようにレナは和
也の頭を抱え込み、腰を動かし続けた。和也も唇と舌でレナの小さなスリット
を責め立て続ける。

「い、いくっ……和也……いいよぉ……も、もうっ……くぅぅうぅん!」

 仔犬のような声を上げながら、レナは体を震わせながら達していた。
 和也をくわえ込んだまま、千草はレナを抱き留めた。体をひくひくさせなが
ら、レナは満足げな顔でとろんとした目線を千草に向けている。千草も顔を紅
潮させながら、レナにやさしく微笑みかけている。

「じゃあ……次は、私ね……」

 千草の柔らかな秘肉は、ずっと和也のペニスを収めたまま、結合そのものを
楽しんでいるようだった。
 千草が腰をグラインドさせるたびに、蜜壷からあふれた愛液が和也の太股や
下腹部に垂れていく。千草の肉壁が和也を刺激し続けている。

「ん……ふ……あ、あ……ふう……」
「千草さん、ぼ、僕も、もう……」
「はぁ……あらあら……さっきレナちゃんのおくちで出したばっかりじゃない。
まだまだ平気でしょ、か・ず・や・く・ん」
「そんな……千草さんの膣{なか}、気持ちよすぎて……」
「わかったわ。じゃあ、私の中にちょうだい、ね」

 自分自身の快感を求めるように、千草のグラインドが速くなる。ギシギシと
ソファがきしむ。

「中に出して……いい……んですか?」
「いいの、いいのよ……和也くん……私にもちょうだい……欲しいの……」

 千草は上下の動きをやめて、前後にリズミカルに腰を動かしはじめた。外に
出させるつもりはないようだった。押しつけるような動きが、和也の下腹部を
さらに刺激する。

「んう……はあ……はあ……」
「千草さん、僕も……動きます」
「動いて……動いてちょうだい……い、いいぃ」

 和也も縛られたままではあったが、わずかに自由に動ける範囲で、千草の動
きにあわせるように動いた。そのたびに、千草が甘い声をあげ、和也の高まり
をさらに硬く熱くさせる。

「だめ、来る……ああぁああっ!!!」

 声を上げた千草、その動きが一瞬止まる。
 和也は、構わず下から千草の一番奥を突き上げた。一度、二度、三度……

「あ、ふぅうぅん!い、いくぅぅ、和也くん、いくのぉぉ!だめええええっ!!」
「で、射精{で}るっ!」

 千草は甘い声をあげながら達していた。和也もそれに合わせるように短くう
めくと、千草の体内にどくどくと射精していた。いつまでも止まらないかのよ
うな錯覚を覚えるほど、大量に千草の中に出し続けていた。


 三人とも、荒い息のまましばらく動けずにいた。
 月明かりの差し込むリビングルームに静寂が戻る。
 その静寂を最初に破ったのは、レナだった。

「じゃあ、次はレナちゃんの番ね」

 レナはそういうと、しばらく和也を見つめていた。

「ねえ、千草ママ、和也のこと、ほどいてもいいよね?つまんないよ……やっ
ぱり和也にいろいろして欲しいもん……」
「そうね……」

 千草は和也を縛り付けていたロープを解いた。

「和也くん、レナちゃんを悲しませないでね……」

 千草に言われるまでもなく、和也もこの状況から単純に逃げようとは思って
いなかった。むしろ、もどかしさから解放されたような感覚……そして和也は、
熱病にうなされているかのようにレナを手招きすると、優しく抱きしめた。

「レナちゃん……」
「和也ぁ……」

 レナは和也の腕に身を任せている。

「見せて、レナちゃん……」

 和也はレナをソファに座らせ、するするとショーツを脱がせる。
 脚をM字に開かせると、レナの幼い下半身があらわになった。和也は自分の
ものを実際に押しあてて、初めてレナのスリットの小ささ実感した。もうすで
にぐっしょりとしていたが、見るからに和也のものは収まりそうにはなかった。
大人の千草のそことは、何から何まで違うのだ。
 それでも和也は、その理性の声に従ってレナをあきらめることはできなかっ
た。レナの中に入りたいという衝動だけが和也を支配していた。

「すっごく痛いと思うけど……いくよ……」

 こくりと頷くレナ。和也はペニスを小さなスリットに添えると、いったんそ
こで止めた。

「……和也……どうしたの?」

 不安そうなレナ。和也はにっこりと微笑みかけると、唇を重ねた。レナは唇
を開いて和也の唇を受け入れる。しばらくの間舌を絡めていたが、和也はすっ
と舌を引いた。
 そして、いきなり腰を押し込んだ。
 異物感と、何より激痛にレナの顔がゆがむ。

「ん……んん!!!!!」

 声を上げようとするレナを、和也は重ねた唇で無理矢理封じ込めた。

「んーーー!!!んーーーっっ!!」

 必死で暴れるレナを、和也は力ずくで押さえ込む。
 レナのくぐもった悲鳴が低くリビングルームに響く。
 小さな蜜壷は、和也の肉棒を拒絶するかのように、ぐいぐいと押し返した。
なかなか奥まで入らないもどかしさを、むしろ楽しむかのように和也は少しず
つレナを押し広げながら突き進めた。
 少し進んでは止め、レナを少しずつ慣らしていく。
 やがてレナも、最初ほどの声を上げなくなっていた。和也は唇のいましめを
解いた。

「げほっ……痛いよぉ……」

 咳き込みながら、レナが涙声で和也にうったえる。

「……痛いよね?レナちゃん、ごめんね。よく我慢したね」
「ぐすん……ほんとに痛かったんだからぁ……でも……和也だから……」
「ありがと、レナちゃん。あと、もうちょっとだから……」

 和也はゆっくりと一番奥まで進むと、そこで動くのをやめた。
 一番奥まで入れたまま、レナの痛みが少しでもやわらぐのを待った。

「どうして……ん……動かない……の??」

 レナが和也の方を見上げて聞く。見るからに苦しそうな表情を浮かべていた
が、和也が動かないのが不満らしい。

「レナちゃん?」
「動いて……いいよ……そうじゃないと和也、気持ちよくなんないでしょ?…
…ねえ」
「ありがと。じゃ……お言葉に甘えて……」

 和也は、少しずつ腰を動かし始めた。レナのことを気遣って、出し入れは抑
え気味に、一番奥まで収めたままレナを突き上げていくように動かす。

「うっ……ん、あ、……は……」

 まだほとんどふくらんでいない胸の先端を和也が吸いたてる。
 一緒に動いている感覚が気持ちいいのか、レナがとろんとした目で和也を見
上げている。

「もう、大丈夫そうだね」
「うん……まだちょっと痛いけど、和也のおちんちん、気持ちいい……よ」

 和也はレナに微笑みかけると、ゆっくりと出し入れをし始めた。レナは泣き
そうな顔をしながら和也に微笑み続けている。

「こういうふうにすると、もっと気持ちよくなれるよ」

 そう言って和也は、レナをぐるりと向こうに向かせた。つながったままぐる
りと回されて、レナが小さく悲鳴を上げる。

「ん……もう、和也ぁ、急に変なことしちゃやだぁ!」
「でも、ほら、こうすると……」
「ふぅぅ、あ……ん」

 言いながら和也は、背中から抱くようにしてレナを下から突き上げた。
 突き上げるたびにソファがぎしぎしと軋んだ音をたてる。

「きゃうぅ、ん……」

 レナは、すでに痛みよりも快感が上回るのか、口の端からよだれをたらしな
がら和也の上下の動きに身を任せていた。和也の両手は、レナのかすかな乳房
と乳首を責め続けている。
 和也は、ずっと二人の様子を見ていた千草に、目で合図を送った。レナの両
膝をかかえ上げると、千草の方に向けて開く。

「や、やあ……恥ずかしいよぉ……」

 千草はそのレナの声に導かれるように、レナと和也の結合部分に唇を寄せた。

「ひゃぅぅう……ん、や……ん」

 レナが切なそうに声を上げた。
 その声が、和也の中の悪戯心を呼び覚ます。

「そうだ……とっておきのプレゼントをくれたレナちゃんに、お礼をしなくちゃね」
「あふぅ……なに、和也ぁ……?」
「ん?こっちにもね、あげようかな、ってさ」

 そう言いながら、和也の指はレナの股間をあちこちまさぐっていたが、やが
てお尻の穴に指がたどり着く。アヌスに触れられた瞬間、レナの幼い蜜壷が反
射的にぎゅっと和也のペニスを締め上げた。

「やぁん……そんなとこ触っちゃやだ、和也のバカぁ……」

 和也はレナの声に耳を貸さず、指をぐにぐにと動かして入り口のひだを愛撫
しはじめた。

「まさか……」
「そうだよ。レナちゃんのお尻でもしたいんだ。だから、ね?」
「ねっ?って言われても……」

 助けを乞うように千草の方を見るレナに、千草はウィンクしてみせる。

「だーめ。今日はレナちゃんが和也くんのお誕生日プレゼントなんだから、プ
レゼントの当人がいろいろ選り好みしないの」
「痛くしない??」
「それは……やっぱり最初は痛いと思うよ」

 わざと意地悪そうに言うと、和也はレナの蜜壷から肉棒を引き抜いた。

「きゃっ」

 驚いたようにレナが声を上げる。
 和也は、レナの愛液を指でぬぐうと、それをアナルに塗りつけた。

「じゃあ……いくよ」
「やぁ、やだ……やめてよぉ、和也……」

 和也はレナを四つんばいにさせ、お尻を自分に向けさせた。
 腰を振りながら和也の指を逃れようとするレナの動きは、和也を刺激しただ
けだった。
 和也はレナのお尻を両手で押さえると、小さなアヌスめがけて肉棒を突き立
てた。

「きゃぁ、や、痛い、痛いよ……和也、やめ、やめて……」

 必死の言葉でレナは拒絶したが、にもかかわらず、にゅるりという感触とと
もに、レナのアヌスは意外なほどスムーズに和也を受け入れた。
 レナはもう声を出せる状態ではないようだった。必死にお腹の中にある異物
感をこらえていた。

「ごめん、レナちゃん。もう、我慢できないんだ……動くよ」

 そう言うと、いきなり和也はピストン運動をし始めた。さっきまでの刺激で
十分に高まっていたせいで、今にも放出してしまいそうな感覚を必死に押さえ
ながら……
 抜きかけては突き入れる、それだけの単純な動きが、レナと和也を高ぶらせ
ていく。

「和也……変だよ、レナちゃんのお尻、変だよ……なんか……熱くて……」
「レナちゃん、レナちゃん……」

 和也ももう、ほかのことを気にかける余裕はなかった。ただ、レナのアヌス
に突き立てながら、そのことだけしか考えられなかった。

「イヤ……やだよぉ……お尻でいっちゃうなんて、やだよぉ……」

 甘い悲鳴を上げながら、レナが限界に近づいていく。
 和也もずっと限界ギリギリだった。

「レナちゃん、僕ももうすぐ……一緒に……」
「和也ぁ……きて、きてぇぇーーー」
「レナちゃん!!!」
「い、くぅうぅううぅ、和也ぁぁぁ!!」

 瞬間、和也はレナのヒップを力一杯引き寄せた。レナの直腸に、白い粘液が
どくどくと注ぎ込まれていく。

「和也の……いっぱい、いっぱい……」

 レナはうわごとのように繰り返している。

 ペニスを抜かれたレナのお尻の穴からは、だらしなく精液が垂れていた。
 そうして、レナが荒い息のままつぶやいた。

「和也……誕生日、おめでと……」

 レナは、疲れ切ったように体を横たえると、静かに寝息を立て始めた。宴の
夜はこうして幕を下りたのだった。



■エピローグ:早乙女和也の独白

「じゃあ和也さん、行ってきますね」
「うん、お願いするよ」

 あの誕生日の夜から、僕は時々メイに一人のお使いを頼むようになった。近
所の時もあれば、朝に出かけて夜遅くまでかかるようなときもあった。
 遅くなる日は、レナちゃんと千草さんが僕のご飯を作ってくれることになっ
ていた。
 そして、食事の後は、レナちゃんと千草さんと僕の、秘密の時間が始まるの
が常だった。カーテンだけが昼の陽光を遮っている、そんな薄明るい部屋の中
で、僕はふたりと体を重ねながら時々こんなことを考えていた。

 (いつか、この輪の中に、メイも入ることがあるのだろうか?)

 でも、その考えはいつもまとまらないまま、リズミカルに訪れる快感と、ゆ
るやかに薄れる意識の先に逃げていく。ただ、それはきっと、そのときが来れ
ばどうということもなく……



〜Fin〜



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